YAMAHA VPNルータを買ったらこれだけはやっておこう! 基礎の基礎
初めに
前回、この記事でTeraTermの文字化けを対策しました。
僕が使っているTeraTermは標準でUTF-8を選択していますが、RTX1200の文字セットを合わせるにはヴァージョンをRev.14.01にする必要があります。
それに加え、購入したルータは中古ですので形だけでも初期化した方がいいんじゃないかと思いました(今更ですが……
これから色々な設定をしていく前に、中身を初期化し、かつファームウェアアップデートをやっていきます。
RTX1200の初期化(工場出荷状態)
ルータを工場出荷状態に戻すには、二つの方法があります。
ハードウェアレベル
パネル前面にある"microSD"、"USB"と"DOWN LOAD"の3つのボタンを押しながら、
電源スイッチをONにしてください。
この方法ならば管理者権限のパスワードを使わずに実行出来ます。
実際にやろうとしたけれど3つのボタンは前面パネルの端に、スイッチは裏パネルの端にあり、設置の仕方によってはなかなか難しい。
簡単に出来たら、その度に設定が吹き飛んじゃうし、仕方がないのかもしれません。
パスワード紛失やリカバリなど、初期化しなけれならない最後の手段で使います。
ソフトウェアレベル
こんなボタンの押し方をしていたら指がつりそうだって方はこちら。
毎度おなじみのコマンド形式です。
# cold start
シリアルで接続し、管理者権限を得たのちに実施してください。
ハードと違い、こちらはパスワード入力を要求されます。
再起動がかかり工場出荷状態に戻ると、再びログイン待ちの状態になります。
せっかくなので初期化後のファームウェアヴァージョンを見てみましょう。
> show config
実行結果は以下のようになりました。
なるほど(なにが?
あっ、初期化するとRTX1200の文字セットも当然ながら戻ります。
文字化け対策をまたやっておきましょう。
RTX1200のファームウェアアップデート
初期化が無事に終わりましたので、今度はファームウェアアップデートです。
最新のファームウェアは以下のサイトにあります。
firmware release for Yamaha Network Products
RXシリーズの所を見ていくと、RXT1200は――Rev.10.01.76までしかない……
当初の予定であるUTF-8は使えないですが、こいつをいれる事にしましょう。
USB直下に名前を変えないままダウンロードしてください。
ちなみにリリースノートを見る限り、セキュリティ面の強化だと分かります。
もう生産終了しているのに、何気にアップデートは続いているんですね。
ファームウェアのアップデートは、
- USBまたはmicroSDカードの利用
- TFTP
- Web経由
以上、3種類の方法で実施できます。
僕の場合、まだRXT1200にLANケーブルを接続していない為、外部メモリを介したアップデートを選択します。
USBを介したファームウェアのアップデート
上記で最新ファームウェアをUSB直下に落としています。
それをルータのUSBポートに差すと電子音が鳴り、USBランプが緑に点灯します。
USBが正常に認識できているか確認する為には、次のコマンドを実施します。
> show file list usb1:/
> show status usbhost
最初のコマンドでUSB内のファイルを参照します。
USB直下に名前を変えぬままファームウェアを保存した場合、RTX1200.BINというファイルが存在しています。
二つ目のコマンドはUSBが動作中であることを確認しています。
Host controllerが"Running"ならば動作中です。
実行例は以下のようになります。
さて、ファームウェアをアップデートする条件が整いました。
ルータの前面パネルにある"USB"ボタンを押しながら、"DOWN LOAD"ボタンを3秒以上押し続けてください。
電子音がして、USBランプとDOWN LOADランプ、microSDランプが交互に点滅しながらアップデートが行われます。
その後、再起動と電子音。これで完了。
ログインタイマの変更
YAMAHAのルータに対しCUI接続をしていて、何も操作をしない状態が続くと自動的にログアウトされてしまいます。
初期値は300秒。
確かにセキュリティの観点から見れば良いでしょうけど、調べながら操作していたら5分なんてあっという間に経ってしまって、正直言って面倒です。
ですので、今のうちに伸ばしておきましょう。
この操作には管理者権限を必要とします。
> administrator
# login timer 3600
# sage
# exit
上記の設定例では3600秒、つまり1時間の間、なにもコマンドが打たれなければ自動ログアウトされます。
さすがに1時間も操作していなかったら、もうネットサーフィンして遊んでいます。
最後に
今回は外部メモリ(USB)を介したファームウェアアップデートについて纏めました。
意外な事にハードウェアスイッチを利用する方式を採用していたので、少し驚いています。
パソコンのbiosアップデートならUSBにファームウェアを落としてbios画面で選択していくだけなので、そんな方式を考えていました。
それに比べるとRTX1200は前時代的? だなぁって感じてしまいます。
てっきり、CUIでコマンド打ち込んで実行するものだとばかり思っていましたから。
LANケーブルを繋いだら、Web経由やTFTPでの方法も試そうと思います。
それまでに新しいファームウェアが出ていれば幸いです。